いままでの記憶

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夢のような"蛇足"『CHAOS;CHILD らぶChu Chu!!』プレイ感想【ネタバレ注意】

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くそったれなゲームだった本編からの夢のような世界。

 

前回のカオチャ本編の感想記事で予告した通りカオチャLCC感想です。今回は前回よりは短め。

クリアしたのは4/9でもう1ヶ月前なんですが、なんでこんなに感想書くのが遅くなったかというと、「カオチャやったからこっちもやっておくか」って軽いノリでカオヘプレイしたらドハマリしちゃったからです…共通ルートラストが面白すぎて…今日でトゥルー終わりそうなのでこっちも感想書きます。

ちなみに、今作プレイ後に本編乃々視点の小説「情弱の記録」と後日談小説「Children’s Revive」も読みました。両方とも本当に素晴らしい小説でカオチャをプレイした人は是非読んでみてください。特に後者のCRはカオチャメインライターの梅原さんが書いているのであの結末が好きな人は必読です!!「本当の彼女達の生き方」を是非見届けてください。

 

 

※ カオチャ本編含むネタバレ注意! ※

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

プレイ順。今回はシナリオのみの感想で。

「個別ルートは本編と同じプレイ順でいいんじゃないか」と考えたのでまずは雛絵ルートから。

…しかしなんでうきルートがないんでしょうね。理解に苦しむ。早くDLCで出して下さい…

彼女も立派なヒロインの一人でしょ…他人のことを想い続けられる彼女に救済を…幸せを与えてくれ…

 

共通ルート

前作トゥルーからスタート。「カオスチャイルド症候群」がtips登録された瞬間ヒヤッとした…

強く生きている彼らの姿を見ることが出来て良かったです。結人が弁護士目指してるのうるっとくる…久野里さんが結人に勉強教えていたのはフリージアだけってCRの方で明かされてるからちょっと矛盾してるけどそこらへんは気にしない気にしない…

 

ここからどうやってらぶchuchuな日常に持っていくのか疑問でしたが…因果律捻じ曲げ能力とかいう反則級の能力持ちの症候群者を引っ張り出してくるとは。ずるいぞ和久井…

 

因果律改変された結果、色々とんでもない世界に。

渋谷地震は起きてるけどニュージェネ再来はただのギャグになっちゃってて笑いました。杯田理子さん可愛いっすね…

 

共通はかなり短かったので、もうちょっと新聞部のワイワイ日常を見たかったかなぁ。個別ルートの分岐が分かりやすかったのは助かりましたが。

ちなみに診断は自分の思うがままにやったら1回目結衣、2回目乃々になりました。その結果…

共通BADEND

待ちに望んだ伊藤ルートッ!!!

伊藤、ヒロインズと同じぐらい好きなキャラなのでテンション上がってました。

…ってなんで閉じ込められて体調悪いからって裸で抱き合うという発想になるんだよ。しかもすぐに終わってしまった。

 

…結末考えると、これって現実世界の拓留と伊藤は覚えてるんですかね?二人共思い出した時にどんな反応してたのか見てみたい…

 

カオチャBLがエイプリルフールネタであったけど、本気で出してくれませんか?神成さんルートをプレイしたい。

有村雛絵ルート

雛絵は特にお気に入りなキャラなのでらぶchuchu出来るのを楽しみにしていましたが、結果個別ルートだと一番好きなシナリオになりました。安心。

本編の頃から「雛絵の能力をギャルゲで活かせたら面白いだろうな」と思ってましたが、しっかり期待に答えてくれました。彼女だからこそ出来るシナリオでしたね。

イチャイチャも充実しつつ、しっかりとシリアスを混ぜていてバランスが良い。

あと拓留が暴走しまくってて笑いました…松岡くん収録楽しかったんだろうなぁ…あの人雛絵好きだしなぁ…

 

さて、LCC雛絵ルートといえば、何と言ってもラストの交差点で愛を叫ぶ拓留のシーン。拓留の内に秘めた熱い想いが爆発してて最高にテンション上がりました。

あれがネット上に拡散されていると考えると、本編とは違った形で有名になってしまったのか拓留。あっちでは犯罪者ですが、こっちではおアツい若者として有名になれたので良かった良かった…

しかし、この世界にカオスチャイルド症候群が存在してなくてよかったですね。結衣結人ルート見る限りはないはず…

 

グッドエンドは全ヒロインでも屈指のイチャイチャ具合でしたね。雛絵と拓留の相性の良さは本編で強調されていたからこうなるのも納得。

本編の雛絵ルートの結末考えると幸せすぎてクラクラしてくる。お幸せに。

香月華ルート

おとなしい香月とらぶchuchuするシナリオをどうやって構成するんだ!?と思ってましたが、「多重人格」という強引な方法を持ってくるとは。個人的には文句はなかったですが、無口な香月とだけイチャイチャしたかった人は少しがっかりしそうかな。

 

能力を使って構成された人格かと思えば、思い込みによって構築された人格だった、というどんでん返しは面白かったですね。本編のシナリオは能力使いまくったカオスなシナリオでしたが、LCCでは他ヒロイン達のルートとは違い唯一能力を使わないシナリオでした。

拓留が幸せそうで何よりだ…

 

で、なんで彼女だけノーマルエンドしかないんですかね…おかしくないですか…

グッドエンドも用意してくれ…不遇のヒロイン…

結衣&結人ルート

結衣の救済!結衣の救済!と本編プレイの時から叫んでいたので個別ルートあって本当に良かった…

いやうきルートがないのは良くないけど…このシナリオでうきの能力が使われていたからってうきルートがない言い訳にはならないぞ…

 

どのような話になるかと思えば、まさかのネットアイドルもの。

結衣の中の人ネタか。雛絵の中の人も作品違うけどアイドルだしなぁ。

ネットアイドルを本編でやってたら本当に悲しいことになっていたので、カオスチャイルド症候群がない世界で本当に良かった(二度目)

女装してる結人めっちゃ可愛くて良かったですね。はい。男であることが発覚してネットが凄いことになる光景をちょっと見てみたかった。

 

伊藤による例のプールネタとか、雛絵の妙に古いセンスとか、ギャグが面白かった印象。

ノリノリで熱弁する拓留に笑いが止まらなかった。このゲームのプレイ目的の一つに「幸せそうな拓留の姿を見ること」が入ってたから本当に嬉しい。

終盤のシリアスパートもしっかりしていて、良いシナリオでした。

 

…なぜ「結衣」だけじゃなくて「結人」のルートでもあるのか、それはLCCで個別ルートが存在している人物の中で、結衣だけが亡くなっているからなんでしょうか。

この夢の中での出来事、姉の幸せそうな姿を現実世界で覚えているのは、結人だけなのだから…

来栖乃々/南沢泉理ルート

乃々/泉理が一番好きな自分にとって、今作の最大のプレイ目的だったシナリオ。

 

イチャイチャパートはとにかく満足。乃々と泉理が二人でいるCGは案の定妄想だったけど良かった。

そして何より、乃々/泉理の赤ちゃん言葉最高ですね!!ブリドカットさんありがとうございました…

シリアスパートは終盤の体育館でのシーンがとにかくアツかった印象。拓留がかっこよすぎる…!!

本編乃々ルートと同じく世莉架もラストで良い立ち回りを見せてくれて良かった…

ノーマルでは乃々、グッドでは泉理とどちらの姿のファンでも満足出来る内容なのもgood。

 

ただ、ところどころシナリオに無理があった気がしますね。赤ちゃんに関して保護者からしっかりと説明がなされている以上学校側から処罰するなんて無理あるだろ…能力の作用があったといえど…

特に川原くんの扱いがなぁ…徹底的に悪い面しか描かれないし、ただのかませ犬になっていたのが悲しい。本編プレイしてからじわじわ好きになっていったキャラだったので彼の活躍にも期待してたんですが。みんなの見ている夢の世界だから、彼らの川原くんへのイメージはああなっているってことなんでしょうか。悲しい。

彼は少々問題があれど来栖乃々という人物を大切に想っていることは変わりないので、せっかくのファンディスクなんですから乃々のために頑張るかっこいい姿を見たかったですね。

本編で「頑張れという部外者」という発言をしたのは川原くんという裏設定も存在しているぐらいだし、彼と拓留は本質的には似たもの同士なのかな、と。二人で協力する光景を見たかった。

 

他ルートプレイしている時に「一体この世界で本物の来栖乃々はどうなっているんだろう」とずっと思っていたんですが、ただ単に海外に留学してるだけだったとは。これ本人戻ってきたら凄いことになりそうだな…というか川原くんはそのこと知らなかったんだな…可哀想…

結衣ルートで拓留が「乃々」と「来栖」の呼び方安定してなかった理由がやっと分かりました…今作では本編のような理由があったわけじゃなかったんですね。

 

あ、最初のネガティブトリガーでプレゼントボックスネタぶち込んだの許しませんからね!!ほんとやめてくれ!!

尾上世莉架ルート

雛絵の兄も来栖乃々も生きているし、拓留の両親は亡くなってしまってはいるけど死因は違うものになってるし、老化現象は存在しないという都合のいい世界。

でも尾上世莉架という存在だけは…

 

本編で同じ道を歩むことが出来なかった拓留と世莉架。

ファンディスクではそんなことはない…かと思いきや、妄想の中ですらもダメだったとは。辛すぎる…

世莉架の存在、人格が生まれるのが、願いは何であれど拓留の妄想によるものならば、彼らの道は永遠に交わることはない、夢の中であれど…本当に切ないよなぁこの二人…

それでも最後に、「また夢の中で会おう」と世莉架が拓留に約束を最後にしたシーンは、この作品の本質を表しているなぁ、と思います。

 

世莉架は拓留の願いを叶えるために生まれた存在だったけども、拓留と過ごしていくうちに世莉架自身の願いにすり替わってしまっていた、という本編での流れを継承している話でしたね。

世莉架が明るい振る舞いのまま狂気的な言動をしているのはびっくりした…

 

ただ世莉架の所謂「白」と「黒」(まさかこの呼び方が公式化されるとは)の説明が多重人格によるもの、というのは個人的には違和感ありましたね。

個人的は、尾上世莉架という人間の人格はあくまで一つだけであって、「白」は「黒」が演じている「拓留が望んだ女子高生の姿」という解釈だったので。演じているだけで人格が異なるというのは違う気がします。

…ま、いいか!ファンディスクだしな!何よりメインライターの梅原さん関わってないしな!

 

最後、拓留が全てを思い出すシーンは熱かったですね。この世界を終わらせる時がついに。

インターミッション&トゥルー

みんな幸せで都合のいい、夢のような世界を今まで体験してきましたが…

残念ながら、このゲーム、『CHAOS;CHILD』のファンディスクなんですよね。

カオスチャイルド症候群者の見ていた妄想が終わったように、この夢もいつか終わりが来る。

個別ルートをクリアする度にインターミッションが挟まれて、久野里さんによる苦闘が描かれたのは、そのことを思い出させる意図があったんだと思います。

 

30分程度で終わるトゥルーでしたが、このゲームをプレイ出来て良かったと思えるシナリオでした。

因果律改変だと思っていましたが、実際そんなことはなく…ただ単に全員で見ている妄想の世界というどんでん返しが待っていたとは。某ゲームを思い出すシナリオだ…

最も、真のギガロマニアックスは過去の出来事を改変することぐらい平気で出来るんですけどね。症候群者がそれやったら彼らの立場がねぇ…

 

さてトゥルーと言えば、なんと言っても久野里さんの活躍っぷり。本編トゥルーでも輝いてたし彼女はトゥルールートのヒロイン担当なんでしょうか。

ディソードを振るうCGがかっこよすぎる…!セナのディソードのデザインの格好良さも相まって最高に盛り上がりました。本編の病院地下のシーンをああいう形で再利用するとはな…

今作は症候群が存在しないのに彼女にルートが存在しないのは疑問だったんですが、夢を終わらせる役割だと考えれば納得。本作の裏主人公だったんですね。プレイし終わった時「これ久野里さんのファンディスクやんけ…」って思ってしまった。

本編で異常なまでの腕力を見せていたのはカオスチャイルド症候群の伏線なんでしょうけど、もしかしてこの人素で身体能力高いのでは…

 

みんなが夢から覚めた後のシーンがとにかく良かった。

病院で泉理が拓留の言葉を聞いたシーンが切なすぎる。

牢獄にいる拓留と久野里さんの会話も良かったですね。決断をした後の拓留を見ると自然と涙が出て来る病気にかかってしまった。

ちなみに、このシーンの時系列は2016年3月なんですが、本編トゥルーで2016年10月に拘置所に入ることになった、という描写を踏まえて考えると、これは病院にあった檻のような病室なんでしょうか。それにしては無理があるような…

2017年3月の間違いなのかと考えても、久野里さんの描写考えるとCRと矛盾するしなぁ…LCC細かい矛盾点がちらほら見えたので、ちょっと気になる。

 

ラストの、生まれ変わった世莉架のシーンの、渋谷で4人のヒロインズとすれ違うってお話で不覚にも涙が。いつしか世莉架が他のヒロインズと「普通の」友達になれるといいなぁ。

拓留らしきイマジナリーフレンドが世莉架の中で生まれていたのは、世莉架ルートの「また夢の中で会おう」という約束が反映された、という形なのかな。

拓留も、眠っている時にまた世莉架に会えるといいですね。

二人が現実世界の中で交わらない道を歩んでいようと、夢の中では会うことが出来るのは救いになりえる…はず。

 

 

所詮これはファンディスクであり、久野里さんの言う通りカオスチャイルドというゲームの"蛇足"でしかない。

全ては妄想の世界であり、覚めたら消えてしまう。残酷な現実はそのままで。

現実世界の拓留やヒロインズ達にとっては、夢を見ていたことは幸せであり、そして残酷でもあったのでしょう。

…けれど、夢を見ている間に感じていた幸福は本物だった。

現実で幸せを見つけることが出来なくとも、夢の中なら、覚めるまでの短い間でも幸福を享受することが出来る…

もう現実世界では会うことが出来ない、拓留の願いを叶える存在であった"尾上世莉架"が拓留に夢の中でまた会おう、と約束したこと。

それはある意味"救い"ではないのでしょうか。

…本編雛絵ルートのラストも、雛絵にとっては幸福な結末だったしなぁ…

 

カオスチャイルド本編は妄想を否定する話だったと個人的には認識しているのですが、LCCは妄想を壊しつつも肯定する話でもあったのかな、と思います。

 

 

というわけでカオスチャイルドLCC

ファンディスクというもののあり方を考えさせられる作品だったと思います。蛇足って素晴らしいね。

カオチャ関連の作品はほぼ触れることが出来たのですが、この作品に出会えて良かったと心から思えます…本当に素晴らしい作品だ…

また彼らの新しい姿を見ることが出来たらいいですね。

 

というわけで次は『CHAOS;HEAD NOAH』感想でお会いしましょう!!あとは七海と梨深とトゥルーだけ…!!