いままでの記憶

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リトルバスターズは不滅だった。劇場版『クドわふたー』感想

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これが令和のリトバス

 

 

リトバスを人生の一番好きな作品として愛し続けて9年の自分ですが、彼らをスクリーンで見れる機会は最初で最後だろう……と思い、劇場版『クドわふたー』を鑑賞してきました。

ちなみに原作はif設定が好みではなかったので未プレイです。(今回の映画見てちゃんとやりたいな、という気持ちにはなりましたが。原作には原作の良さがあるんでしょうし……ちゃんと向き合いたい。)

あと、クラウドファンディング自体にはFコースで参加してるのでBDは持ってます。ただ見る機会がなかったので今回の上映が初見です。

 

一言で言うと、とても面白かったです!リトルバスターズが好きなので。

ただ、クドわふたーが好きな人は……みたいな感じになる。だから全肯定はできない感じ。あとあくまでスピンオフなのでリトバス知らない人はキャラがわからなくて置いてきぼりになると思うし見に行かないほうがいい。

 

というわけで以下ネタバレ感想です。感想というかどちらかというと考察と作品の制作過程を考える記事になりましたけど。 

クドわふの感想とはいえ、リトバス本編のネタバレを含むので注意してください。

 

……あ、感想の前にブログを1年放置してた理由について。1月にサマポケRBクリアしてプレイしてる中じゃKey最高傑作じゃんってなったりLOOPERSめっちゃ面白いじゃん!!ってなってたのに感想を書こうとしたら書きたいこそがありすぎて完成させられないまま、気がついたら7月になっていました……というわけで他のKey記事はもう少しお待ち下さい。今回の記事は短めではあるけどサマポケに関しては数万字書けます。アニメ化楽しみ。

 

 

 

 

序盤、ロケットを打ち上げるまで。

リトルバスターズのみんな大集合!ギャグのノリはそのまま!キャラの声もそのまま!キャラデザも飯塚さんのままなので少し絵柄が変わったとはいえ違和感なく見られる。新キャラも登場してクドわふってこういう感じなんだな~~という新鮮さもある。クドとの関係性が強い真人は特別目立ってて良かったし、棗兄妹が同居してる設定は萌えるし(もっと見たかった!)、はるちんなんてわざわざテーマBGMの騒がし乙女の憂愁まで流れててテンション上がりました。映画館でリトバスBGM聞けるだけで価値ある。

なんなら日常が楽しくてこのまま50分使ってくれてもよかったんじゃないかな、ってくらい。前半は褒められる出来でしたね。無難にこれでクドを中心とした日常描写で精神の成長を描いてくれればifではあるがそれはそれで楽しめたはず。

 

そんな楽しい日常。でも徐々に挟まり始める鎖と波紋の描写。

ん……これってまさか……

 

 

 

やっぱり。

劇場版『クドわふたー』かと思ったら、劇場版『リトルバスターズif クドアフター』だった。

Keyってここまで盛大にいい意味でも悪い意味でも裏切ることするのか!?Keyってこういうブランドだったっけか!?こんな”怪作”を出していいのか!?

すっっっっっっっっごい驚かされました。そんなことやるんだ。いや、予感はしてたけど。ここまでやるんだ……if設定を『都合のいい日常』としてしまっていいんだ……これ脚本がクドわふディレクターやってた魁さんだからまだ大丈夫だけど無関係の人だったら普通によくないんですけど!?攻めすぎじゃない!?というかクラウドファンディングでこんなことやるなよ。賛否両論になるに決まってるだろ!?

 

そんな感じで後半の世界の根幹の話は興奮しっぱなしでした。クドが現実に立ち向かう強さを手に入れる話、リトルバスターズのスピンオフとしては50分しかないので粗あったけどそこそこ完成度の高いお話になっていたのかなと思います。ただクドわふたーのアニメ化としては……という。

 

確かにわかる。リトバス本編の補完をクド軸でやるならここしかないだろう。こんなん二次創作でできない、公式だからこそできるスピンオフ。

もっとも、アニメ軸として考えると23話で「もう二度と辛いことから逃げたりしない」と決意したクドがまたこういう世界を作ってしまうことは違和感があるかもしれない。

けど、死の恐怖と向き合うのってそれこそ大変で、虚構世界からいなくなった後もこういう世界に閉じこもってしまう可能性もあるだろう。人間ってそういうもの。だから……この設定が美魚や葉留佳だったら本編後軸でやるとなると難しいだろうけど、クドならいけるかなというラインかな……と個人的には思いました。

……あ、来ヶ谷でもいけるな。未練すごいあるし。来ヶ谷アフターおねがいしまーす(来ヶ谷推しの戯言)というか自分でこの設定使って書いてもいいよって感じだな……

 

……というわけで原作で目覚めるまでにこういうことがありましたよ、という補完スピンオフ目線で見てたんですけど、クドが目覚めた時に恭介が元気そうに「能美!」って飛び出してきたので(ちょっと笑いそうになった)確かに「クドが目覚めるのが遅かった」ifの世界ではあるなと納得しました。

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確かに"ifの世界"ではある、間違いではないですね。

クドわふと違って修学旅行がないifとは言ってない。

あそこで恭介がいなかったら本編軸解釈もギリギリできるかなー、とは思ったけど、そもそもクドと元々面識ある氷室さんはともかく椎菜ちゃんが出てくるのはおかしいし……やはりifで考えるのが正しいだろうな。リトバス本編が完璧なのでそれ以上公式でいじってほしくなかったのもあるけど。

ただ、本編軸にした以上はこの二人を出した意味がファンサービス以上の意味がないというか、クドわふたーというタイトルをギリギリ保つためというか。自分がクドわふやってないからキャラを掴めてないのもあり……どうせリトバス本編の補完物語としてやるならそこはしっかりしてほしかったな、というのはあります。

そもそもクラウドファンディング自体が4年ゴタゴタしたあげくこんな話を出してきたのは、冷静に考えて狂ってるので、出資までしたクドわふたーファンの人の怒りは正しいし賛否両論になって当然です。普通に酷いよ。リトバスファン向け映画じゃんこれ。確かにリトバスの肝であるファンタジー設定を投げ捨てたif設定自体は当時から賛否両論だったし自分のようにクドわふやってないリトバスファンがたくさんいるのはわかるが……そこ向けの内容だけでいいのか?別にゲームやってないけどリトバスメンバーを付け足したゲーム本編そのままアニメ化しても満足はできてたと思うし。

 

そもそもクラウドファンディング開始時点と全然違うのは結構不味いと思うんですよね。修学旅行を無事に終えたもうひとつのリトルバスターズの世界って文言消えとるんだが。

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クラウドファンディング開始時点のあらすじ。全部違うじゃん。

ここに映ってる有月初さんは存在消されてるし、4年前の企画時点では「ちゃんとクドわふ本編通り」やりましょうってなったけど、途中でリトバススピンオフにしちゃいましょうという方向転換があったんでしょうね。

何があったんだろう……監督が山川さんじゃなくなった時点でゴタゴタしてるなとは思ってたけど。リトバスアニメ脚本の島田さんに頼む予定だったけど亡くなってしまったからできなくなったとかJCのスケジュールが埋まりすぎてて優先度低いからどうにもならなかったとかかな。魁さんはなんでこの話にしたんだろう……クドわふif設定にしたの納得いってなかったのかな……サマポケ書きながらこの脚本も書いてたとなると凄い仕事量ではあるけど。インタビューや舞台挨拶で何か言及あるのかな……

……というわけで支援者はWebで見返せるVisualStyleの監督と丘野さんのインタビュー読んだら納得しました。最初からクドわふゲーム版をアニメ化する気なかったんかい!!リトバスのスピンオフ作る気満々だったんかい!!いや確かに原作ファンの間でも賛否両論あるif設定だったけど……もうちょっとクドわふファンに寄り添った脚本でもよかったんじゃないかな、と思いました。やってないから偉そうには言えないけど。

ここまで別物にするとは思ってなかったよ。もうちょっとクラウドファンディング時点で「全然違う話にします!!」って大々的に伝えた方が良かったんじゃないかなと思いました。Keyを追っかけて人生過ごしてきたし大好きだけどそこは擁護できない。インタビュー見る限りは支援前にそういう話ですって伝えてたつもりなんだろうけど伝えきれてないよ。原作シーンダイジェストで消化してるのヤバいだろ。というかこれ最初20分のOVAだったって何する予定だったんだよ……今回のロケット発射までの20分日常で終わってたってこと?それはそれでアリですが。

そもそもクラウドファンディング時点で自分のように新しいリトバスが見たくて支援した層と原作のクドわふに+αした物語が見たかった層で分かれていたはずではあるけど……これはサプライズではあるから企画の根幹をそこまで明かすことはできなかっただろうし……ただクラウドファンディングじゃなかったらクドわふをアニメ化することはおそらくできなかっただろうし……難しいですね。

 

 

というわけで色々感想というか制作過程を妄想してみる感じになりましたが……リトバスファンとしては概ね満足です。令和になって彼らの日常を映画館で見れるとは思わなかった。本当にそこは嬉しかったです、ありがとうございました。設定も面白かったしいいインスピレーションもらえた!そういうリトバスのスピンオフもありなんだなって。公式がここまでやるなら二次創作でも色々できるし何か書きたいな~、と思いました。やはり来ヶ谷アフターか?

ただクラウドファンディングの作品としてはかなりヤバいことをしているので、もう少しファンに寄り添った脚本でも良かったんじゃないかなと……クドわふの名前になってる以上は……

20周年でまた動くかもしれないらしいので期待してます。その時こそちゃんとクドわふアニメ化してほしいし。

あと6年後か。どうなってるんでしょうね。サマポケアニメが原作と並ぶぐらいの原作になる未来になってるといいですね。

……色々思うところはありましたが、リトルバスターズは不滅であることが確認できて安心できました。また彼らに会えますように。